2019年4月13日土曜日

日本語の「ウン」に違和感?

こんな場面ありませんか?

甘夏:今日は〇〇だよね。
いよかん:ウン。

甘夏:ごはんもう食べた?
いよかん:ウン。

日本語の相槌に「ウン」が多い理由は?そもそも「ウン」とは?

「ウンともスンとも言わない」の「ウン」

「ウンともスンとも言わない」どっちやねん状態ですが、ウンは”承諾”の意味がきちんとあります。これに対してスンはどうでしょうか?大きく息を吸い、鼻からだしてみてください。これが昔の「スン」の発音だったそうです。何の音もありません。つまり鼻から息がでるだけなくらい何も言わない、言っていないという意味がスンにはあります。

ウン&スン~どこからきたの?

ウン&スン、キキ&ララみたいですが、実は16世紀、江戸時代に日本に来たポルトガルの船員が伝えた「南蛮カルタ」がウン&スンの語源です。カルタはポルトガル語で”四角い紙”の意味がありました。その後、カルタの消費量が多かった貴族の多い京都を中心に、日本の文化に合わせた複製品が作られていきました。その中に「天正(てんしょう)カルタ」があります。一番古くて質のいい「天正カルタ」は福岡県の三池で作られたそうです。もともと、日本にはカードがなく、ハマグリに絵が描かれた貝合わせという遊びが流行っていました。今は、日本古来のカルタは百人一首が知られていますが、この時代の日本のオリジナルカルタのようです。

「三池カルタサブレ」。まるでカルタ!

南蛮カルタを発祥とする「ウンスンカルタ」。カードの絵柄も日本、中国、西洋のミックスで鯛を持った七福神など飽きないのだとか。




・ウンと呼ばれていたカード:唐人の意味のウンが描かれていた。ゲーム的には-。
・スン:七福神が描かれていた。ゲーム的には最高点。

このカード遊びで、ニッチモサッチもいかなくなった時に、「ウンともスンとも」という副詞、形容詞的な意味が生まれました。

ウンスンカルタは賭博性が強く、これまた江戸時代の老中松平定信の寛政の改革の中で、遊び道具が廃止される時になくなってしまうのですが、な、なんと、ふるさと納税の返礼品が森のくまさんと称したクマモンそっくりのキャラロゴ入りお米、どんこ(しいたけ)やヨーグルトなどである熊本県の人吉(ひとよし)地方にだけ残っていたではありませんか!人吉市に行けばウンスンカルタ体験ができるそうです。


おお、可愛い!
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それでも違和感あり?

伝統的な意味のある言葉だと分かりましたがやっぱり違和感があり、とっさに返事をしなければいけない場合ウンではなく、ムーンとかウーとかン?などの疑問形にまで変化しがちです。なぜ違和感を感じるのかと言えば、ウンには、ウンと話す人にとって、自分の感情が伝えにくい気がします。もう少し詳しく考えてみると、「ウン」と言う前に自分が携わっている事柄の状況の感情がモロに「うん」に出やすくなりがちです。疲れていると「ウン」と言うとさらに疲れそうです。古風でいい言葉ではありますが、「そだね」の方が響きがいい感じです。そこで、少しリズミカルに英単語で言ってみてはいかがでしょうか。

ウンに代わる英単語~YupでテンションUP

Yup(やっぷ)はウンの代わりに使えます。ヤップと言うことで、少しテンションが上がりそうです。似た言葉にyesがあります。

・yes:はい
・yap:うん

ヤップはへ~イ代わりにもなることから、ラフすぎることも。他にも好意的なウンとして使えるのが「もちろん」です。

好意的な度合いがUP~もちろん

英語で「もちろん」はof courseですが、オフのコースって意味不明♪と思ったことありませんか?そんな時は、コース料理を思い浮かべてみてください。コース料理には、シェフにおまかせ、成り行きにまかせる意味合いがあるそうです。例えばこんな感じです。

どちらかがご飯を作れば、どちらかが後片付けと決めていました。今日はきぬさやがごはんを作りました。

きぬさや:今日は洗ってくれるのかな?
とうもろこし:もちろん!

成り行き的に、とうもろこしが後片付けをする事が分かっている状況ですね。ここでもし、「うん」と言ってしまうとします。おやつに焼いたクロワッサン、トースターが早く熱くなってしまったのでいつのまにかクロワッサンが焦げてしまい、不機嫌なとうもろこしは、「うん」に不機嫌さが出てしまいます。きぬさやはとうもろこしが渋々承諾していると勘違いしてしまうわけです。そんな時に、”当然だよ”という相手の依頼に対する肯定的なニュアンスのある「もちろん」は、相手に好意的だとすぐに伝えられる便利な一言です。もちろんよりも好意的だと言いたい時は、「オッケー」もナイスですね。

アウンの呼吸とは?

ウンとスンの関係は単なるロゴ合わせ的だとも言われていますが、ロゴ合わせ的な言葉と言えば、「アウンの呼吸」も思い浮かぶのではないでしょうか。『あ、うん』が映画のタイトルになった時、日本語っていいなと思ったものです。「あ」と口を開いて息を吸うことを「阿(あ)」、口を閉じて息を吐くことを「吽(うん)」と言うそうです。アウンの呼吸の意味については、お相撲さんにあります。ああ、うんではなかったんですね!お相撲さんは立ち上がる前に、3種類の呼吸をしているのだそうです。

・吸う息
・吐く息
・止まる息

まず、構えで息を吐き、8秒くらい息を止め、そのままの状態で立ち向かうのです。まるで短距離走のスタートのような緊張感です。アウンの呼吸は、取り組みの時に呼吸を合わせるところから来ていたのです。腹式呼吸の呼吸法では、息を吐いてから吸う間に数秒息を止めるとさらに腹筋がつきやすいと言われています。ウンの代わりにアウンはどうでしょうか。ちょっと違和感がありそうです、アウーンよりも、志村けんのアイーンの方が口角があがり、OK牧場感がでていてより承諾感がありそうです。


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